2018年4月10日火曜日

迷宮のReplicant

  CHAGE and ASKAの『ENERGY』というアルバムの中に「迷宮のReplicant」という曲があって、もやーんとした空気に包まれた街を見ると思い出す。好きな曲だから、カラッと晴れてても思い出すけど。


 中学生が聴くと、歌詞がもう、うおお大人の世界だって感じでね。雨の中、車を運転してる感じとか、それが夜の高速道路だとか。中学生には手に入らない、自分だけの空間感が凄い。


 そんな中でさらにね、濃密であろう恋人との時間、そして未来を語られるんだからもう、想像に想像を重ねるしかないし、それが楽しいわけですよ。


 ただ、今年の春先の靄を見て思い出したこの曲は、全然違う味わいで。


 「夢の中で夢を見る」っていうフレーズがあるんだけど、それがこんな風に響くようになるなんてね。


 どうだい、あの頃の僕。年はとってみるもんだ。

2018年4月9日月曜日

賢いちゃんの密室へようこそ・後編

 つづき!

 女性の身体に現れる様々な変化を、「神とのよりはっきりとした繋がり」ではなく、「穢れ」として貶めたのもまあたぶん、男性でしょう。あるいはまあ、男性から異性として見られなくなりつつあるような年齢だとか、身体的特徴のある女性。

 理不尽なルールは、理不尽な感情から生まれたと考えるのが自然だからね。羨ましいものは見えないところにやってしまえばいい。いやほんと、書いてみると滅茶苦茶なんだけど。それを平気でやるのが人間なのよね。

 穢れを作れば、穢れのない人が清浄だという階級意識も構築できる。神事は穢れ禁止です、霊的世界も男、あるいは処女または老婆が仕切ります、みたいな。

 そういう男性社会を味方につけるには、本物の霊能者でさえ、性別を問わず能力を儀式化することが求められただろうし。

 めんどくせえなあ。

 嫉妬に基づく宗教なんてものはもう、疑いようのない迷信で、社会がそれに振り回されるようなことがあちこちで繰り返されてきて。

 だから科学が台頭して、物質世界にシフトしていったのは当然の流れなんだけどさ。

 その裏側には常に男性世界がある。これがね、気にくわないのよね。

 もちろん、精神世界とか、不思議なことにハマる男もいる。だけど、妙に理屈っぽくなるっていうのかな。何かこう、体系化した上で語りたがる。幽霊よりも宇宙人の方が科学的だと信じるような感じっていえば分かるかね。証拠があれば本物だとか、どうせないんだろうほら偽物だとか、可視化にこだわって本質をね、早ーい段階で見失っちゃう。

 血統とか儀式にこだわるのは男で、それがナンセンスだってことはまあ、物質世界的にもバレてきちゃってて、バカみたいな話なんだけどね。それをありがたがる女性もいるんだから、まだまだ世界はでたらめだ。


Shin01

2018年4月8日日曜日

賢いちゃんの密室へようこそ・中編

 今回は前回のつづきかもしれません。

 二人だけの世界なら、相手をバカだと固定してしまえばいい。自動的に自分が賢い方になる。だから、閉ざされた世界を維持するためなら何でもする。賢いちゃんにとってはそれこそが「生きる術」だから、そのための技術も磨かれていく。

 これが強めに外部に漏れればね、たとえば犯罪として暴かれるけど。ごくごくソフトな密室技術はそこら中に転がってるし、「珍しいことでも何でもない」とすら思えてしまうのが怖いところ。

 今の世の中というか、社会がね、極めて男性的だってことはもう、誰でも分かるでしょ。それってただ大きくなっただけの密室で。

 変えていこうと思うのは大変で、社会がそうならその上でうまくやっていこうと思う方が「賢い」。だから「そんなこと誰でも言える」って言葉を使う賢いちゃんレディーは、男性社会的物質主義者四川風麻婆豆腐担々麺定食。

 精神世界っぽく考えると、まあ単純に女の人の方が神秘的だったんだろうな、と。矛盾するけど、物理的に神秘的でしょ。生理とか妊娠とか母乳とか、見た目の変化が凄いじゃない。

 神様の影響を直接受けているような気がね、しちゃうじゃない。男からすれば。

 その中でどう威張っていけばいいんだっていう知恵を絞り、力を合わせていった結果が、今の男性社会、物質世界なんでしょうね。

 力が強いだけだと揶揄されないように、論理的な側面を強化していったんだけど、言葉にならない部分、(霊的)感性がより鈍化して、「女の勘は恐ろしい」と(バカにしたっぽく)言い続けることになった。

 つづきましょう。


Shin01

2018年4月7日土曜日

賢いちゃんの密室へようこそ・前編

 前回の「『誰にでも言える』は誰にでも言える」に登場するような男は、実はたくさんいる。キャバクラ勤めを強要するような男でなければいい、という話ではない。

 実際、自分の交際相手、結婚相手はそこまでひどくないと思い込んで、むしろ安心しちゃうような人って多いのよ。その数がね、ああいう男を支えているわけだから。

 自分は違う、と思い込む。

 比べればマシだと思っているならまだしも、自分の場合は愛されているから違うと思い込んでしまう。

 「お前はバカだ」と言われ慣れてると、それが落ち着いてしまう。虐待されて育つと、交際相手からのDVを安心として受け入れてしまうって話と同じなんだけどね。

 バカだって言われたくなくて、心配させたくなくって、「そんなこと分かってる」っていう方に無理矢理落ち着けていくとかね。

 たびたび書いているように、偽物っていうか、ろくでもない霊能者や占い師はたくさんいるよ。

 ただ、「そんなこと誰でも言える」系の「自称賢いちゃん」もいっぱいいる。

 発言だけを切り取れば「誰でも言える」ようなことでも、それがどこから出たのか、何を見て言ったのかによって、意味がまるで異なってくる。

 賢いちゃんは賢くないから、それが分からない。自分以上に物が見えている世界なんて想像すらできないから、二人だけの閉ざされた世界になればなるほど、断定的な物言いをする。

 つづく(あっ、断定的だ!)。


Shin01

2018年4月6日金曜日

「誰にでも言える」は誰にでも言える

 むかーしむかし、あるところに。心の綺麗な、何とも素直な娘さんがおったそうな。

 ある日のこと。霊能者や占い師なんかに言われたことを、彼氏に話してみた。

 すると彼氏はすぐに、大きな声で

「そんなこと、誰にでも言えるんだよ!」

 と怒鳴り始めた。

 「誰にでも当てはまるようなことを言って、あとは反応を見ながら合わせてるだけなのに、そんなことも分からないのか! だからお前は駄目なんだ。そんな奴に使う時間があるなら、キャバクラで働け。同じ時間で金が増えるんだぞ。そしたら俺と旅行にだって行けるようになる。二人で幸せになりたくないのか。俺一人が頑張ったって駄目なんだよ、お前の協力があって初めて、二人の幸せに繋がるんだ。」

 そう言われて娘は、ああそうだ、彼氏の言う通りだ、自分は本当に駄目な人間だと気づくことができました。二人の幸せを考えて、こんな駄目な自分のことを真剣に怒ってくれる彼氏と旅行をしたいと、心から思ったのです。

 喜びで涙を流しながら、娘はすぐにスマートフォンを手に取りました。思い立ったが吉日、キャバクラの面接もすぐに決まりました。心配だった洋服も、彼氏が知り合いから借りてくれるそうです。それも今すぐ!

「今日はお前の記念日だ。祝杯もあげないとな。ガソリン入れてくから、チューハイの分、ちょっと出しといてくれるか?」

 彼氏の背中を見送った娘は、これからはどんなことでも二人で乗り越えていけそうだ、という気持ちでいっぱいでした。二人の絆を証明するためなら、キャバクラなんてちっとも怖くありません。もっともっと凄いことだってできそうです。

 めでたし、めでたし。


Shin01

2018年4月5日木曜日

霊障治療を阻むもの・後編

 おとなしく、前回のつづき。

 そうそう、みんなね、おとなしいからね。あてはめ上手になるのよ。それは別に、悪いことばっかりじゃないし。地域や文化、風土や家族。いい部分が作り上げてきたいいものだってたくさんある。

 ただ、そこに乗っかって何の努力もせずに「四の五の言わずに従えばいいのですなぜなら私たちもそのようにしてきたからですそしてあなたも私たちになるのです」っていうね、激ヤバ閉鎖社会および文化あるいは親族両親家庭みたいなのが売るほどあるっていうか、売れ残ってるのに威張ってるし、喜んで定価で買ってる人たちもいっぱいいる。

 そういうからくりを分かっていても、どこかで慣れていたり、慣れてしまう方が楽だっていうような部分があって、それを「賢さ」に置き換えて生きていく。

 「ストレス社会で必要な賢さ」がマニュアル化されているような部分があるのよね。みんなが良かれと思ってやっていることが似通ってくる。

 だとすれば、「した方がいいこと」よりも「しない方がいいこと」を書いていく方が実用性が高い。

 まあそのー、「否定ばかりで具体的な解決法が書かれていないから生産的ではない」っていう断定の仕方もマニュアル化されちゃってるんでね、これまた難しいところではあるんですが。

 そういう人は結局、「痛いのだけ取ってくれりゃいい」とか「生き方なんて聞いてないんだよ」とか「未来を教えてくれよ」だの「過去を当ててみろよ本物かどうか見極めてやるから」だのあとえっとまだまだあるぞはあはあはあ。

 ええと、つまり。

 「しない方がいいこと」にだって、意味はあるんだ友達なーんーだー。


Shin01

2018年4月4日水曜日

霊障治療を阻むもの・中編

 つづき。えー、まずは前回のおさらいから。いらんわ。

 自分がどういう性質かっていう認識、自覚は、環境によって歪められることが多い。家庭や学校、職場なんかを経験していく中でね、自分の価値やバランス感覚を確認していくものではあるんだけどね。

 そもそも「環境を選ぶ才能がない」っていう人がかなりいて、いや、それで幸せならいいんだけど、ぼんやりとした不安を抱えたまま、ぼんやりと具合悪く、慢性の痛み痒みに付き合って生きてたりする。

 歪んだ前提をどっさり背負って、「肩こり 治療」とか検索しててもしょうがない。

 叩き込まれたり、刷り込まれたりした「おかしな前提」を引っぺがしてからでなけりゃ意味がない。

 「和な伝統の罠」でも書いたけど、「叩き込む」とか「刷り込み」っていう病魔にとって、この国は非常に心地よいところで。文化風土全体が病巣だと言っても過言ではない。で、それは多くの人にとって「当たり前」なわけよね。相談してみても「そんなの別に珍しくないよ」とか「どこも同じだよ」って返ってきちゃったりして。

 インターネットの時代になって、被害者っていうのかな。大勢に潰されそうになったそういう人たちの声も目立つようになったけど、対策や対処法なんかがね、やっぱりマニュアル化されてきちゃうんだよね。

 インターネットの時代は、検索の時代。自分と同じ症状、当てはまる項目を探すことが上手くなる。精神世界っていうのは、そこから一番遠いところにある。

 そしてつづきは次回にある。


Shin01

2018年4月3日火曜日

霊障治療を阻むもの・前編

 僕は「こうすればいいよ」よりも「こうしない方がいい」っていう書き方を採る。

 人にはそれぞれ長所があって、そこを活かしながら生きていくことに意味がある。

 同じようなトラブル、同じような霊障に見舞われたとしても、その人の個性によって原因も対策も異なるんだよね。

 それを無視して、「やるといいこと」だけ並べていっても意味がない。そんなのはお祓いなんかのエクソシズムと同じで、根本的な解決、再発の防止にはならないから。

 精神世界ってのは、マニュアル化に向かないもんだと思う。個人の性質と深ーいところで結びついてるから。

 僕がやってる「剥がし」の基本もそこにある。「その症状だったらこういう治療をしますんで、このくらいの料金でやりますよー」ってまとめられないのが辛いとこよ。皆さんお好きでしょ、そういう一覧表みたいなの。

 自分の長所って意外と分かってないもんでね。家族や友人知人、周りの人間が揃いも揃ってろくでもなければもう、見当違いの「あなたはこういう人間よ」のまんまで固定されちゃってるっていう。

 地獄絵図なんだけど、地獄生まれ地獄育ちなら、そこが地獄かどうかも分からない。ここまで読んでも、他人事だと思っちゃってる。せっかく「ひょっとして」って思えても、地獄の親友に相談しちゃうもんだから「お前、何こんなのに騙されてんだよ」って飲み屋で説得されて終わったりして。

 長くなるつもりはなかったのに、次回につづいたりして。


Shin01

2018年4月2日月曜日

見える儀式で見えなくなるもの

 見えないものを見えるもので制御していこうってのはナンセンスなんだけど、それを何とかやっていこうとしてるのが現代社会で。

 症状に名前をつけたり、それを告げられて(なぜか)安心するのもその一つ。

 告げられて「俺もついに」みたいなね、「一回戦から強豪校かよー」的な不戦敗気分になったりもするんだから、いいことばかりじゃないっていうか、良くて半分なんだけど。

 お互いが半分ずつ楽になれれば割といいですよねってとこか。

 伝統を笠に着ただけの儀式の存在意義もまた、そのくらいのもんなのかもしれない。

 ただね。

 霊障を儀式に委ねる場合の、双方が本質を見ようとしない、その合意の罪深さは凄まじいなと。

 闇雲に「スーツ着てこい」、「スーツも着ないで何様だ」みたいなおっさんばりの、外見だけで片づけようとする感じが凄いっす。その人が本質を発揮できる服装かどうかの方が重要なのに、俺様に会うからにはそれなりの服装でまず覚悟を見せてもらおうみたいなね、へりくだってやって来るかどうかで満足しようとする感じがもう、見えないものを見る力がゼロなんですマンかお前は。

 見えないものを見る程度に差があって、その優越感と劣等感を恐れたんだな世界は、と思う。ちょいちょい思う。

 それはまあ、見えるふりをしてる悪い奴がいて、悪い奴だから権力を握ろう、拡大しようとしたからっていうのもあるんだろうけどさ。

 「スーツは合理的じゃない」っていう時代になってきたのはちょっといいけど、中身を見ましょうってのとはまた別の話なんだよな。


Shin01

2018年4月1日日曜日

和な伝統の罠・後編

 つづきでございます。

 さらに厄介なのは「生まれつき」って言葉。生まれつきってのはいつからを指すのかね。温かいかどうかはさておき、誰もが親の思いの下に生まれてきて。親が子に使う「生まれつき」の何とまあ、無責任なことよ。

 前編でも書いた通り、和に見せかけた輪の罠が、この国の文化にはもう、あまりにも多い。それが国や地域や家族の「全体」に寄与したからって、個人を蝕んでいい理由にはならんでしょう。

 そういう全体の無神経さというか、全体主義の横暴に対してね、「体質」とか「生まれつき」って言葉が有効な防御手段になる。なっちゃう。全体に服従させようとするだけの奴と無駄な議論をせずに済むから、便利なのよね。

 便利な部分があるからこそ、寄生が共生になる。

 治らないことが武器になる。

 体質って言葉は便利なんだよね。「そうなんだからしょうがない」っていう、控えおろう控えおろうご老公で御座候。

 無理解っていう横暴に対して、被害者を肩書きに闘う。全体主義を拒絶するようでいて、奇妙な共生関係、無意識の輪を自ら構成してしまっていることに気づけない。

 そういう環境が、霊障を育てる温床になる。

 街を歩けば、明らかに霊障だなと思われる症状に苦しんでいる人が目に入る。みんなが思っている以上に、霊障ってのは目に見えるもんなのよ。目に見えるから、医学に定義されちゃうし、そういうもんだと覚えてしまう、信じさせられてしまうだけでね。

 治りたいってことは、そこから抜け出したいと思うかどうかだから。緩和するだけの薬をもらいに行き続けることよりも、実はずっと難しい。

 それを理解した上での僕の仕事はあれだな! プロだな!


Shin01