フィクションの特殊能力っていうのは、「こうだったらいいのにな」が多い。他人よりも優れていたい、得をしたいと思う気持ちを、登場人物に重ねたり、託したりするから。
他人の知らない情報を知っていたい、誰よりも先に知っていたいという気持ちが、少年を他県の本屋に走らせる部分もあるわけだしね。いのち短し恋せよ乙女、いくらでも走りゃいいんだけどさ。
そういう気分がベースになってると、精神世界への理解がズレるのよね。先を知りたい、知っていたい、人よりも先回りしておきたい。フィクションの超能力と、現実世界の(というのも妙だけど)霊能力とがごっちゃになる。
過去を言い当てる、未来を予言することを「本物」の基準にするんだよね。
過去を当てられたとして、それが得か? 信じるための分かりやすい材料が(霊的な存在から)わざわざ提示されたってことで、情けなくないかね。こっくりたん的なしょぼさを感じないかね。
未来の情報なら得か? 結果の分かっているギャンブルで、金だけを手に入れることが。いや、ギャンブルやらんから知らんけど、駆け引きとかもギャンブルの楽しみに入ってるんじゃないの? 負けのリスクや不安を乗り越えてみたいような気分が。
結果に直結するような、誰でも簡単に驚くような能力っていうのは、ほとんど偽物みたいなもん。「即物的」ってのは、安っぽいんだよ。手から粉出すとかね、物を媒介にして「見えるもので信じさせる行為」っていうのはもう、本物からすげえ遠い。
薬とか煙を使って、トランス状態になるやつとかもそう。「物質的な媒介を必要とする時点で危ない」っていう方が正確かな。物に頼ってるから。
つづくから。
Shin01
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